日本のB2B購買で、検索と生成AIはいま何を決めているのか — 買い手は候補を3つ以下に絞り込みます。検索はいまも検討の中心です。そして生成AIを使う買い手の 中では、すでに候補リストが動き始めています。数字を先に置くと――比較候補を3社以下に絞る買い手は 合計81.4%(n=517)、検索サービスの利用は全国74.8%(n=35,794)・東京都81.3%です。 使ったのは公開一次調査です(HubSpot Japan 買い手n=515、ITコミュニケーションズ×B2B Marketing n=517 ほか)。 分母までさかのぼり、数字を混ぜずに読み分けました。
要点:日本のB2B買い手は比較候補を3つ以下に絞り込みます。 検索は依然として検討の中心にあり、生成AIの利用も公開一次調査で確認できる段階に入っています。 まず守るべき指標は「候補群に正確な役割で入る」です。
B2Bの購買では、比較検討に入る前に候補が絞られます。担当者が最初の三社を並べる段階です。ここでリストに載っていなければ、その後どれだけ提案が優れていても比較表そのものに呼ばれません。名前が挙がっているかどうかを確かめずに提案書を磨くのは、選考の二次で戦う準備を、一次を通らないまま進めるようなものです。
当社が最初に測るのは、まさにその一次です。お客様の買い手が実際に投げる質問を50問決め、7回ずつ15のエンジンへ投げます。同じ答えのなかで隣に名前が挙がった会社も一緒に記録します。誰が候補に入っていて自社が入っていないのか、その差がどの質問のどの画面で生まれているのかまで分けてお渡しするので、次に手を入れる場所を名前で指させます。競合を同じ回答の中で並べて測る規格にしているのは、候補リストが相対で決まるからです。自社の数字だけでは、候補に入れる基準に届いているかが判断できません。
検索51.3%と生成AI36.7%、足して読んでよいか:分母が違います
まず全国調査を見ます。HubSpot Japanが企画し、マクロミルが2025年10月30日〜31日に実施したものです (買い手n=515)。購買検討の情報源として「インターネット検索」を挙げた買い手は、 2024年の57.7%から2025年は51.3%へ。「生成AI」は4.3%から11.7%へ変化しました。 検索は下がりながらも、この質問の中では引き続き単一の情報源として大きな位置を占めて います。 公式一次 www.hubspot.jp
同じ調査の別の質問では、購買検討の過程で生成AIを使った経験のある買い手が36.7%、 直近1年に限ると33.0%でした。ここで重要なのは、11.7%と36.7%は質問も分母も別だ という点です。前者は「主な情報源は何か」への回答であり、後者は「使った経験があるか」 への回答です。足し合わせたり、どちらか一方だけを取り出して「AIはもう主流」「AIはまだ 1割」と結論づけたりすると、同じ調査から正反対の物語が二つ作れてしまいます。
生成AIを使う買い手はどこまで進んでいるか:候補リストはすでに動いています
同調査で、購買検討に生成AIを使った買い手だけを見ます。52.4%が「もともと候補になかった 製品・サービスを候補に追加した」と答えました。55.3%が「最終的な意思決定に影響を受けた」と 答えています。これは自己申告であり、日本の買い手全体の比率でもありません。それでも実務上の 意味は明確です――営業担当が名刺交換するより前に、AIの答えの中で候補リストが編集され 始めているということです。そこに自社が正確な姿で載っているかどうかは、もう営業活動の 外側の話ではありません。 公式一次 www.hubspot.jp
一方で同じ調査では、81.2%の買い手が人間の営業にしか出せない価値――個別事情を踏まえた 提案や潜在ニーズの掘り起こし――を期待しています。検索とAIが候補を作り、人がクロージングする。 この分業を前提にすると、デジタル側の仕事は「売上を作ること」ではなく「候補として正確に 届くこと」に定まります。
勝負はどこで決まるか:候補3社の椅子(買い手の81.4%が3社以下に絞る)
別の調査も見ます。ITコミュニケーションズとB2B Marketingが2025年5月27日〜28日に実施したものです。 対象は、2022〜2025年に勤務先の製品・サービス導入の検討や意思決定に関わった会社員n=517。 検討段階の主な情報源は「各種Webメディア」49.3%、「供給企業のWebサイト」35.4%でした。
同調査で比較した 製品・サービスの数は、1社のみが16.8%、2社が31.9%、3社が32.7%――合計81.4%の買い手が 比較候補を3つ以下に絞り込んでいます。2022年調査の68.1%から上昇していますが、公開 資料からその原因は特定できません。 公式一次 www.it-comm.co.jp
候補3つの椅子取りゲーム――買い手の8割超が比較を3社以下で打ち切るなら、 検索結果とAIの答えの仕事は「たくさん露出すること」ではありません。その3つの椅子の どれかに、正確な役割説明つきで座ることです。椅子に座れなかった供給者には、 比較表も商談も回ってきません。
同調査は購買金額によるチャネルの違いも報告しています。300万円未満の購買はウェブ中心 で進む一方、1,000万円以上の高額購買では展示会・セミナー・新聞など複数チャネルの併用傾向 が見られました。高額商材ほど、ウェブ上の根拠がそのまま営業提案やセミナー資料でも同じ 数字・同じ表現で再利用できることが効いてきます。 公式一次 www.it-comm.co.jp
まず守る指標は何か:候補群に、正確な役割で入ること
背景として、検索そのものの利用基盤は厚いままです。総務省の令和7年通信利用動向調査 (直近1年のインターネット利用者)では、検索サービスの利用は全国74.8%(n=35,794)、 東京都81.3%(n=724)でした。個人利用者の調査であり、東京と全国の差に有意性検定は行われて いませんが、検索が生活と業務の標準的な入口であり続けていることを示す公的な参照値です。 公式一次 www.e-stat.go.jp
ここまでの一次データを重ねると、日本のB2Bでデジタル可視性がまず担うべき仕事が 一つに定まります。買い手が検索と生成AIに投げる質問の中で、候補群に入ること。入った うえで、自社が「誰の・どんな問題を・どう解決する会社」なのかという役割が正確に伝わること。 そしてその説明が、確かめられる根拠と、問い合わせ・資料請求という次の行動につながっていること。 売上はその先で営業が決め切る領域です。デジタル側で最初に測り、最初に守れるのは この「候補入り」と「役割の正確さ」です。
当社実測はまさにここを見ます。日本語の実際の質問に対して、検索と生成AIの 答えの中で貴社ブランドがどの状態にあるかを切り分けます。状態は四つ — 「出ていない」「名前だけ」「公式URLの引用つき」「比較候補として役割つき」。 引用とは、AIが答えの下に出典として自社のURLを挙げたことです。 判定は元の回答を証拠として添えて報告し、公式情報とのずれを直したうえで 同じ条件で再測定します。候補3つの椅子に座れているか――感覚ではなく、 証拠つきの測定で確かめられます。どの画面から測るかの全体地図は 日本の生成AIサーフェスの地図にあります。 答えの根拠になっている引用元の生態は日本のAI検索が 引用するドメインの実測整理にまとめました。
測る範囲は先に決めて動かしません。当社実測の日本回は17サーフェスで確定しており(ロスター確定 2026-08-08)、ChatGPTからBingニュース、Yahoo! JAPANのAI回答まで名前で固定したうえで、 同じ質問を7回ずつ、15エンジンで全量実行します。買い手が使う画面を一つ落とすと、 その画面での不在は測定結果ではなく測定範囲の穴になります。範囲を先に固定しておくと、次の回の 数字と今回の数字を同じ物差しで並べられます。
生成AIはまだB2B購買に関係ないのか
関係し始めています。購買検討に生成AIを使った買い手に限ると、52.4%が候補になかった製品・ サービスを候補に追加し、55.3%が最終的な意思決定に影響を受けたと回答しています(自己申告)。 一方で「主な情報源」として生成AIを挙げた買い手は11.7%、利用経験は36.7%です。質問も分母も別の 数字です。分母を分けて読む限り、「もう主流」とも「まだ関係ない」とも言えません。 候補リストが動き始めた段階、と読むのが正確です(いずれもHubSpot Japan調査・買い手n=515)。
候補3社に入っていないと
候補が3社以下に絞られる場では、最初のリストに入らなければ商談が始まりません。入っていない状態を放置すると、提案の巧拙より前に機会を失います。
買い手がどの画面で候補を作っているかを確認しないと、営業資料だけを直して待つことになります。届く場所が違えば、そこに投じたコストは戻りません。
なぜ当社で測るのか
日本語の質問で、ご指定の競合と並べて同じ条件で数えます。だから候補リストのどこに自社がいるのかを、印象ではなく数字で確かめられます。
候補に残る側かどうかは、測定で確かめられます。
検索51.3%と生成AI36.7%を足した数字を社内で使っているなら、今すぐ分母を分けて書き直してください。足した数字は、どちらの面を直せばよいかを教えません。貴社の購買質問で、検索とAIの答えのどこに現れているかを測ります。同じ条件で何回も聞いて確かめます。実際の納品構成は、サンプルレポートで画面のままご確認いただけます。