「Google一強」の前提が、シェア構造で最初に崩れます
StatCounter Global Statsの2026年6月・日本(全プラットフォーム)の検索エンジンシェアは、 Google 59.04%、Bing 33.10%、Yahoo 6.23%です。 公開統計 gs.statcounter.com
米国発のAEO・GEO議論は、GoogleとChatGPTを軸に組み立てられがちです。しかし日本では、 StatCounterの2026年6月集計で、Bing系だけで3割超、Yahoo! JAPANを合わせるとGoogle以外の 検索サーフェスが4割近くを占めます。 「Googleの順位とAIの答えだけ見る」設計は、市場のこの部分を最初から視野の外に置くことになります。 どのサーフェスを測るかの選択が、施策の中身より先に成果を左右する市場です。
Googleだけでも、サーフェスは一つではありません — 三つの発表、三つの時期
Googleは2024年8月16日、AI Overviews(AIによる概要)について日本を含む6つの国・地域への 拡大と現地語対応を発表しました。日本語の検索結果の最上部にAIの要約が表示される機能は、 この時点から公式に提供されています。 公式一次 blog.google
2025年9月9日には、対話を続けながら調べられるAIモードの日本語展開が発表されました。 公式一次 blog.google さらに2026年3月27日、音声やカメラで検索と対話するSearch Liveについて、日本を含む AIモード対応の言語・地域拡大が発表されています。 公式一次 blog.google
発表時期が違うということは、同じ「Google対策」でも、どのサーフェスを見るかで観測結果も 打ち手も変わるということです。従来の検索順位が強いことと、AI Overviewsに出典として 引用されること、AIモードの答えに名前が出ることは、それぞれ別の事象です。別の事象は、 分けて確かめて初めて意思決定に使える数字になります。
Yahoo! JAPANとLINEの生成AI導線は、Agent iに合流しつつあります
LINEヤフーは2026年4月20日、対話型AIエージェント「Agent i」を発表しました。 Yahoo! AI AssistantとLINEのAI機能を統合していく位置づけの発表で、日本固有の 二大導線 — Yahoo! JAPANとLINE — の生成AI入口がここで一つに束ねられ始めています。 公式一次 lycorp.co.jp
続く2026年6月5日の発表では、利用者ごとの個人化と記憶(メモリ)が説明されました。 公式一次 lycorp.co.jp そして2026年6月30日の発表は、対応領域の22ジャンルへの拡大、OpenAIのAPI活用、 自由入力の質問にYahoo! JAPAN IDのログインが必要であることを説明しています。 公式一次 lycorp.co.jp
ここが実務上の分かれ目です — Agent iは、ログイン状態と記憶を前提にしたサーフェスとして 公式に説明されています。誰が・どのアカウント状態で聞くかで答えが変わりうるサーフェスは、 単発の「聞いてみた」スクリーンショットでは比較可能な観測になりません。観測の条件を そろえて初めて、前後比較や競合比較に使える数字になります。
地図を持つ側が、施策の順番を決められます
ここまでの事実を並べると、日本市場の構造が見えてきます。検索の入口はGoogle・Bing・ Yahooに分かれ、GoogleのAIサーフェスは三つの別々の時期に始まり、Yahoo! JAPANとLINEの 生成AI導線はAgent iという新しい合流点を持ちました。さらに各サーフェスは、消費者が見る画面、 開発者向けAPI、サイト運営者向けレポート、事業者プロフィールのどれなのかも異なります。 あるAPIの応答は別の消費者画面を再現しませんし、運営者向けの数字は競合やAIの推薦を 教えてくれません。
だから最初の意思決定は「どのAIに最適化するか」ではなく「どのサーフェスから測るか」です。 貴社の買い手が日本のどの画面にいて、そこに貴社の名前が現れているのか、出典として 引かれているのか — それをサーフェスごとに分けて確かめることが、施策より先に来ます。 サーフェスごとの現在地が数字で見えれば、直す場所と順番は自然に決まります。CiteAngleは この地図の上で、日本語の質問に対する貴社ブランドの見え方を原回答つきで測定しています。