広告費比率が下がった会社は、広告を絞ったのか — この1社では、比率は11.7ポイント下がり、金額は4.16倍になっていました。比率は割り算なので、 分母が速く伸びれば分子を増やしても下がります。だから比率ひとつでは広告の増減が読めません。 分子と分母を分けて見て、その手前に、名前がどこまで届いているかの記録を置いておく必要があります。
比率だけを見ていると、絶対額の増加を見落とします。この1社では比率が下がった裏で、広告宣伝費そのものが4.16倍になっていました。安心材料に見えて、実は逆のことが起きています。売上に対する広告費の割合が下がっている。この報告は社内で安心材料になります。ただ、その裏で支出そのものが増えていれば、効率が上がったのか売上が伸びただけなのかは分かれません。分母が動いている指標を単独で追うと、判断の材料にならない数字が毎月きれいに並びます。
当社が数字を出すときは、分母を先に書きます。パノラマなら計画した観測のうち何回が読めて、何回が読めなかったのか。比率にはWilson 95%信頼区間を添え、点ではなく幅で報告します。読めなかった回を分母から外せば比率は良くなりますが、その計算はしません。
比率は割り算だから、分母が速ければ分子を増やしても下がる
比率が下がる道は2つあります。分子を減らす道と、分母がそれより速く伸びる道。この1社は後者でした。
開示された2つの数字から売上を逆算できます。641を0.2916で割ると2,198億ウォン。2,667を0.1746で割ると 1兆5,275億ウォン。売上は6.94倍で、広告宣伝費の4.16倍より速い。だから比率は11.7ポイント下がりました。
同じ5年、上がった2本と下がった1本(2020年度=100)
この数字から言えるのは会計上の関係だけです。広告を出したから売上が伸びた、という因果は出てきません。 同じ5年のあいだに商品が入れ替わり、流通と為替も動いています。取り出せるのは一点、比率ひとつでは 広告の増減が読めないということ。
では、広告はいつ入れるのか
金額を決める前に置いておく記録があります。いま自社の名前が、どこに、どれだけ出ているか。 その名前を知っている人がどれだけいて、どの場面で名前が挙がるか。これを認知と呼びます。 当社のパノラマは、この記録を、計画した観測を分母にして出します。
出す判断そのものは事業側のものです。ただ、材料が「なんとなく知られてきた」だけだと、出した後の 変化を読む物差しがありません。出す前の位置を数えておくと、後の変化を同じ物差しで読めます。 出す前の1回目と、出した後の2回目。この2回を同じ条件でそろえるところから始めてください。
認知はあるかないかでは数えません。どの画面の、どの質問で、何回名前が出たか。そこに競合の名前が 何回出たか。数え方を先に決めておくと、印象が数字になります。出てきた比率にはWilson 95%信頼区間を添え、点ではなく幅で読みます。AIの回答面で名前が挙がったかどうかも、 同じ数え方の対象です。関連する整理は広告を買う前に確認したい引用ベースラインにあります。
位置は、競合と並べて初めて座標になる
自社だけを測っても、その数字が高いのか低いのかは決まりません。分母に載る会社が1社では、並びが立たないからです。同じ質問を同じ回数だけ競合にも 当てて、初めて並びが出ます。
CiteAngleが数えるのは2つです。決めた質問群を検索とAIの回答面で繰り返し実行したときに、自社と 競合の名前が出た回数と、出典として挙がったURL。露出とクリックと購入は分母が違うので、別々に数えて別々に出します。 3つを1つの点数に丸めると、どこが動いたのかが見えなくなるからです。1回読めたかどうかではなく、同じ質問を7回ずつ繰り返して何回戻ってきたかを出します。測り方の全体は測定方法に置いています。
数え方と、この数字が言えないこと
方法は単純です。開示資料2期分から広告宣伝費と比率を読み、売上を逆算しました。式は広告宣伝費÷比率。 使った数字は4件、広告宣伝費の641と2,667、比率の0.2916と0.1746だけです。 指数は2020年度を100としています。
限界も書いておきます。1社・2時点だけの数字です。業種は化粧品、国は韓国だけ。途中の3年間の動きは 含みません。同じ形が他社にも当てはまるかは、この資料からは言えません。社名は伏せ、比率と金額の 関係だけを取り出しました。
比率は結果の見え方の一部で、意思決定の材料としてはまだ粗いものです。分子と分母を分けて見る。 その手前に、名前がどこまで届いているかの記録を置く。順番はそれだけです。
比率だけを見て決めると
分子と分母を分けて確認しないと、広告を増やした会社を「絞った会社」と読み違えます。読み違えた比率を根拠に予算を切れば、届いていた層を失います。
名前がどこまで届いているかの記録がないと、比率が動いた理由を後から説明できません。説明できない数字は稟議で不利になります。
なぜ当社に頼むのか
ご指定の競合を同じ規格で並べて測ります。だから比率が動いたとき、自社の変化なのか市場全体の変化なのかを分けて読めます。
比率が下がったら、広告を減らしたと読んでよいのでしょうか
読めません。開示資料では、この会社は比率が29.16%から17.46%へ下がった同じ5年で、広告宣伝費の実額を4.16倍に 増やしています。比率は割り算なので、分子を増やしても、分母のほうが速ければ下がります。 実額と比率を並べて置いてください。
自社の比率だけを見ていて、何が抜けますか
買い手の前に並んでいる相手が抜けます。比率は自社の帳簿だけで完結する数字なので、同じ時期に競合が どちらへ動いたかは入っていません。押し込みと刈り取りでは、 同じ向きに動いた会社と、逆に動いた会社を並べています。
広告の金額を決める前に、いまの位置を。
まず、比率だけの社内資料を、広告費の実額と売上の実額を並べた形に書き直してください。比率だけの稟議は、分母が動いた年に必ず読み違えます。出す前の位置を同じ条件で数えておくほど、出した後の変化も同じ物差しで読めます。露出・クリック・購入は分けて数え、分けてお出しします。
比率ではなく実額で今の位置を出したい場合は、お問い合わせください。貴社の質問で測る範囲からご相談します。